楽を選ぶことと、逃げること
自分の感覚(と感情)に敏感になって、気分の悪くなるほうではなく、気分が良くなるほうを選択し続けなさい、と「引き寄せの法則」でエイブラハムは言う。
一方で、何か心地の悪さを感じるときはこれまで慣れ親しんだコンフォートゾーンを抜けるときで、逃げずにチャレンジすることで人間的に成長する、と脳科学や心理学では言われる。
さて、今、心地の悪さを感じているとして、それは前者なのか後者なのかわからないというのが長らくわたしの問題であった。
心地悪いことより気分が良くなることを選べばいい?
でも、気分が楽になることを選ぶことは成長の機会から逃げることにならないか?
これについては、お世話になっている治療家、川尻先生の回答が明快で役立った。
基準は、今は気が重かったり、心地悪く感じたとしても、それに挑戦した後の自分を想像したときに、ときときめくか、どうかだと。
これを聞いて、すとんと腹に落ちた。
たとえば、わたしにとって車の運転がそうであった。
免許こそ取っていたものの、運転は苦手。でも、夫が亡くなった後、夫のお父さんに言われて練習を始めた。
当時は正直、気が重かったけれど、車でどこでも行けるような女の人というのはどこかで憧れでもあった。
そのときは、アメリカに暮らす予定はなかったけれど、その後、車社会のアメリカで暮らすことになって、あのとき、心地悪いあの練習をちゃんとやっておいて本当によかったと思う。
改めて考えれば、エイブラハムもちゃんと言っているのだ。
瞬間瞬間の心地良さを選ぶことが大事だけど、それよりもまず皆さんにしてもらいたいことは自分がほしいもの、つまりめざす自分を決めることだ、と。