いつ、なんで、そう決めたっけ?

髪をカラーリングした。よくよく考えてみたら10年近くぶりであった。なんで10年もカラーリングしなかったかというと、その当時、わたしは自然回帰を志向していたからだ。髪を染めるなんて不自然だし、カラー剤が皮膚吸収されて体に悪そうだし、ナチュラリストとして、本来自分が持って生まれた髪の色を大事にすると決めたのだ。

しかし、その後10年間ずっと同じような熱意を持って「カラーリングはしない」と意識していたわけじゃない。ただ、カラーリングをしないことが習慣になって、ありがたいことに白髪もなく、特に必要に迫られることもなかったので、いつしかカラーをするという選択肢があることを忘れてしまっていただけだ。

今回、仕事で体験取材をする必要があり、カラーリングを提案されて、ああ、そうだ、そういう選択も美容院にはあったのだと思い出した。心がときめいたので快諾して、結果、10年ぶりに髪を染めた。

鏡の中にうつる髪を染めた自分に、常に髪をカラーリングしていたかつての自分が重なって、いろんな思い出が蘇った。さまざまな気持ちも出てきた。

髪型を変えるのってすごく不思議な行為だ。どこかセラピーのようだった。

「カラーリングをしない」というのも、そのときは自分にしっくりくる決意だった。ただ、いつなんで決意したかはそのうち忘れられて、単なる習慣として続けているだけのことになっていた。そういうことって他にもきっとたくさんあって、そういうひとつひとつを意識的に見直していくと自分から出てくるパワーみたいなものが格段に上がる。

特に40代になると、そこそこいろいろな体験を経て、さまざまな物事に対して「わたしはこれ」とどこかの段階で決めていることが多い。見方によっては自分の軸があっていいと言えるのかもしれない。けれど、その軸は本当に”今の自分”に即した軸なのかを問う余白は持っていたい。

今の自分に即した軸かどうか? 自分で自分を客観視するのはなかなか難しいから、やはり時々、他人の意見を聞くのはいい。その意見を聞き入れるか、入れないかは、あくまで自分の選択でいい。ただ、他人に聞いてみないと見えてこない視点(選択肢)があるということには心を開いておこうと改めて思った。

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