夢の記録
亡くなった夫の誕生日が近い。それと関係あるのかないのか、亡夫の夢を見た。
亡くなった直後は彼はほとんど夢に出てこず、ようやく出てきてくれるようになったかと思うと亡くなる直前の痩せた姿だったりした(もちろんそうじゃないときもあった)。あるいは、わたしは夫のいない生活をしていたけれど、実は彼は病院に閉じ込められっぱなしになっていて、わたしが忘れていただけと気づく、ちょっとした悪夢。
3、4年経つと元気な姿を見ることが増えたが、その場合、夢の中でわたしは「亡くなった彼が今何らかの事情で戻ってきている」と認識していて、「彼がそのことに気づいて消えてしまわないように」と気をつけていることが多くて全力で無邪気に彼と会っていることは少なかった。
まあ、たまたま、そういう夢ばかり記憶に残っている可能性もあるけれど。
今回見たのはこんな夢。
わたしは温泉宿にいるようで、早朝、一人で露天風呂を楽しんでいた。けれど、合宿できているらしい大学生っぽい団体がどかどかやってきて(混浴!)、落ち着かなくなったので露天風呂の奥の方へと移動した。
そこの風呂には中心に人の輪ができていて、何だろうと思ったら、うずしおのうずのようなものがあって、人々がそこで遊んでいるのだった。
そして、そのとき、うずしおの中心で遊んでいたのは、亡くなった夫と、彼の息子(前妻との間)であった。
予期せぬ再会がうれしくて、声をかけたかったのだが、うずまきの周りには他にも人がいて、周りが気になって大声が出せない。亡夫と息子くんはうずしおに夢中で、人の輪の一番外側にいるわたしに気づくはずもない。
ようやく勇気を出して声を出してみたのだが、なんとわたしの口から飛び出したのは息子くんの方の名前。しかも、本名でしっかり呼ばず、なんとなく勝手に略してニックネームにしてた。
何やっているんだ、私…もちろん、その声は人のざわめきにかき消されて夫には届かなかった、というところで目が覚めた。
彼は黄色いTシャツを着ていた(温泉なのに洋服を着ているという不思議は夢だからしょうがない)。その黄色いTシャツは、わたしと知り合った頃からいつも着ていたものだけど、彼が亡くなって、彼の古い友だちが見せてくれた写真の中でも同じTシャツを着ていたことに驚いた。大学生のときから愛用していたみたい。なんという物持ちの良さ。
結局、声は届かず、会話はできなかったのだけど、黒く焼けた顔に黄色のTシャツ、そしてうずしおではしゃいでいる笑顔を見られて、うれしかった。
あまりにうれしかったので、目が覚めた後、もう一回会えないかと思って二度寝したくらい。
二度寝ではわたしは彼の居場所をPCを駆使して探している夢を見た。
夢でも夫に会えるのはうれしくて、こうして記録を残しておきたくなる。わたしはきっとずっと彼のことが好き。