7.30.2019

アメリカでは個人間でお金のやりとりをするときに、スマホアプリ「Venmo」をみんな使っているといって過言でない。ランチや飲み会で大人数で精算するときに便利なのでぜひアカウントを作ってくれと会社の仲間に再三言われてきたのだが、銀行口座やクレジットカード情報を登録するような新しい形態のサービスということで安全性に不安があってずっと避けてきた。けれど、このたびいろいろあって意を決して登録した。
いざ使ってみるとこれまた便利で、なぜいままで頑なに拒んできたんだろうと思ってしまう。年を取るってこういうことだな。新しいものに対しての拒絶反応が強い。「安全性に不安がある」なんて理由をつけているけれど、それが本当の理由なら具体的に不安要素を洗い出して調べればいいのに、それをやっていないわけだから、要するに「知らないものだから、わからないから、怖い」というだけだったりするのだ。
気づけば現金が財布に入っていることはほとんどない生活をしている。かつては現金という「物」で見ないで数字だけのやりとりになると実感が伴わなくなってよろしくないなどと思っていた時代もあった。けれど、別に現金を使わなくなっても散財していないし自分の金銭感覚が狂ったとも思えない。あれも理由のない、新しいことへの恐れだったんじゃないかな。
挑戦というと大きな物事のようなイメージがあるけれど、こういう新しいことを受け入れてみるのもこの年齢では挑戦であるのだ。わたしはまだまだ挑戦できる。伸びしろもある。急にそんなことを思って見上げた空。雲が踊っているようだった。