9.25.2019

写真家の幡野広志さんがブログで、カメラと車は似ていると書いていた。
運転方法を学べばどんな車でも運転できるから、あとは自分の好みの車、ライフスタイルに合った車を選べばいい。カメラもそうだ、と。
カメラの性能の差は気にしていても、好みで選ぶということはあんまり意識したことがなかったかもしれないと気づいた。と同時に、サーフィンもカメラや車と同じだな、と思った。
サーフィンも乗り方を覚えれば、誰でも乗れる。あとは、好みの乗り方、めざすスタイルによってボードを選べばいい。
わたしがサーフィンにハマったのは、そこである。乗れるようになったら終わりでなくて、そこからスタートする次の世界があった。もちろん好みの乗り方、めざすスタイルを実現するための技術も永遠に磨き続けられるといって過言ではなく、つまりは一生探求ができる。
利便性のためだけでなく、楽しみのために道具を使う、というのは、じつに人間らしい、もしかしたら人間らしさの最たることのひとつと言えるかもしれない。意識していてもいなくても、どんな道具を使っているかはその人を表現しているとも言える。
若い頃は、「自分らしさ」とか「個性」ってなんだろうと、よく迷ったものだった。クリエイティブな仕事をしていたからなおさら、自分にしかできない表現にこだわっていた。けれど、40になって肩の力が抜けて気づいたことは、身の回りに置くもの、自分のする言動、全てにおいて自分の「好き」を徹底したら、それが勝手に人とは違う自分らしさになるということであった。
写真もじつは好きなタイプの写真というのがけっこう明確にあるのに、そういうのが自分では撮れないので、腕を磨く一方で、好きな写真家がどのカメラを使っていて、どうやって現像しているのか調べることをしてみよう。