11.21.2019

昨日今日と雨模様。久しぶりだとは思ったが、ラジオ番組のDJによれば、5月21日ぶりの雨とのことであった。いやいや、少し前にサーカスを見に行ったときも霧雨に降られた記憶があるので、さすがにそれは大げさでは、と思うが、ラジオが言うんだから、ある程度まとまった量の「雨」と言える「雨」は実際に半年ぶりなのだろう。確かに、初夏にユパ(犬)を迎え入れてから、毎日朝晩の散歩をしているが、雨だった記憶はないのであった。
ということは、ユパにとっても犬生で初めての雨か。
彼にとっては、どうやら裏庭の土がふにゃふにゃと柔らかくなっているのが面白いようで、掘るわ掘るわで止まらない。それだけならかまわないのだが、掘っている途中で急に気が変わって、こちらが止める隙間もない勢いで家に入って来るのが困る。床が泥だらけになるので、呼び寄せて足を拭こうとするも、足を拭かれるのは嫌いなようで、このときばかりは呼んでも来ない。それどころか、逃げてソファーの上に乗ってしまって、ソファーに泥がつくという。でも、犬が悪いわけじゃないし、犬に怒っても何が悪いかわからないだろうから、私はただただ脱力するだけである。
外に出さなきゃいいんだけど、雨で散歩も短めに切り上げているし、裏庭くらい自由に駆け回らせないとストレスが溜まるだろうなぁと思って、つい出してしまう。部屋を汚されるとがっくりくるけれど、でも、かわいらしさのほうが上回る。何を見ても全てに興味津々でおもちゃにしてしまうのは幼い頃だけの、限られた期間の輝きなんだろうと思うとなおさら。
日本で、義父と暮らしているラブラドールのオセロのことをいつも思い出す。散歩で松ぼっくりを見つけると尾っぽを振ってくわえて、ガリガリと噛んで、ガリガリが終わるとポイッと捨てるということを昔はよくやっていたのに、あるとき、もうそれをやらなくなったことに気づいた。ぼんやり生きているといろんなことはあっというまにうつろってしまう。
いまは部屋を泥だらけにしてわたしを脱力させているユパも、いつか「そういえばおとなしくなった」なんて思う日々がくるのだと思うと、愛おしい。