01.08.2020

シャッタースピードを間違えた写真が水彩画のように見えて、これはこれで面白いと思って掲載してみた。わたしが写真を好きになったのは、今からもう20年以上も前のことで、きっかけはライターとしての仕事で、カメラマンをつける予算がないからと、取材時にフィルムの一眼レフを手渡されたことだった。当時、雑誌では、一般のカメラで使われるネガフィルムではなく、ポジと呼ばれるリバーサルフィルムを使用するのが定番で、ネガに比べると、露出や色温度の調整がかなりシビアであった。朝の写真を撮れば、見た目よりずっと青く写り、午後に写真を撮れば、見た目よりずっと赤く写った。プロのカメラマンじゃないのに、そのシビアな写真を撮ることは毎度緊張したけれど、一方で、目に見える世界と違うものが写るのは面白いと思った。目に見えるものだけが、世界じゃないよ、そんな証拠を見せてもらった気がしてわくわくした、あのときの若いわたしを懐かしく思い出した。

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