03.13.2020

いまさらながら『飛んで埼玉』を見た。サンディエゴ在住の武田久美子さんが出ているし、昨年のサンディエゴ・アジア映画祭でも上映されたくらいなのに見逃したしで、ずっと気になっていたのだが、忙しい日々、優先順位の上位にはこずに時間ばかりが過ぎた。この夜も「そろそろ瞑想の時間だ」と思っていたのだが、相方が大画面で映画を見だしたのでなんとなく一緒に見ることになって、最初の20分くらいは「瞑想したいんだけどなぁ」と思っていたが、その後、数分後にはすっかりはまってしまった。東京とか埼玉とか千葉とか、かなりリアルで具体的で、関東の東京以外に住む人の心のうちをついているのだけど、映像は漫画のような虚構の世界に徹底しているのが、なんとも言えずいい。千葉県人に捕まると穴という穴にピーナッツを入れられるとか、千葉県出身としてはイヒヒと笑えるポイントがいっぱい。千葉で育ち(いまも実家は千葉県)、ほんのり東京に憧れ、社会人になって世田谷区とか目黒区とかわかりやすく都会指数の高い街に暮らすことで千葉出身であることを抹消したかった若かりし日の自分を思い出した。いまも実家は千葉なのに、亡くなった夫と結婚したおかげで本籍は神奈川にあるので、神奈川がふるさとのような顔してる(笑)。そのくせ、映画を見終わったあと、千葉はなまじっか海があるばっかりに、この映画の主役(埼玉)になれなかったのだと、へんな悔しさがあった(笑)。そうして、さんざん笑って、このあと、ちゃんと瞑想して寝たという振り幅の大きな1日であった。