03.23.2020

幼いころから、夏の夕立ちというものが、好きだった。
何もなければ無事に過ぎていくはずだった暑い1日に
急にもくもくと暗雲が立ちこめて
傘を差すさすことがばからしいくらいの大雨が降り、
ごろごろぴかりと轟音とともに空に光が走る。

夕立は台風と違って、基本的にはすぐ過ぎ去ると
わたしたちは知っている。
すぐ終わるから、被害が出たとしても、
そこまででないと予想もできる。
だから、ちょっとした非日常として
楽しむ、とまではいかなくても
冷静さを保つことは難しくなかった。

じつは、夕立ちそのものじゃなくて
夕立ちの後が好きらしいと気づいたのは
もう少し大人になってからだ。

夕立ちという非日常によって皆が少しだけ高揚して
その高揚を残したままに
「そちらは大丈夫だった?」
と互いを気遣う会話があちこちで聞かれる、
あの独特の雰囲気。
心理学で、ハラハラドキドキを共有すると
その人との関係性が深まるというのを聞いたことがあるが
夕立ちのあとの町に、わたしはそれを感じる。

このたびのコロナウイルスうんぬんについては
夕立ちのようにすぐ過ぎ去ることを知っているという安心感はなく、
被害が出たとしてもそこまででないと予想もできない。
けれど、いろんなことが落ち着いたあとには、
あの夕立ちのあとの町のような世界が
広がっているといいなと思っている。

その世界で自分は何をしていたいか?
振り返ったとき何をしていたと言いたいか?
それをいまここの自分の判断基準のひとつに
してもいいのかもしれないね。

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