今日のつぶやき
若い頃は本当に生きづらかった。
いま思い返すとあれは摂食障害の
一歩手前だったなという体験もあるし、
高校生のときには登校拒否の経験もある。
20代後半にはアームカットをはじめ、
さすがにこれはマズイと
自力で心療内科の門戸を叩いた。
心療内科の勧めでカウンセリングを受け、
カウンセラーとの相性がよかったのか
1回目のセッションで確実に変化を感じ、
そこからわたしの自己探求が始まったように思う。
その後、ヨガ、アロマテラピー、
エネルギーヒーリング、サーフィンと
いろいろなものに出会い、
そのたびに一皮一皮
古く重くなった鎧をはいできた。
鎧はきっといまもあるが、
かつてほど重たく自分を苦しめることは
もうない。
気づけば中年となり、
あの頃のような生きづらさは
もう持ち合わせていない
どころか、
どうしてあんなに生きづらかったのか
正確に思い出すことも難しい。
だから、若い子が、
かつてのわたしと似たような
生きづらさを抱えていても
わたしには気の利いたアドバイスができない。
話はずれるけれど、これは死別体験も同じで、
わたしは夫を亡くした経験をし、
それをくぐり抜けてきたけれど、
いままさに死別の喪失を体験している人に
何か役立つ話ができるかといえば
何もできないような気がする。
いまのわたしが20代の
あのつらかったわたしに何か言うとしたら…
そんなふうに考えてみたら
この言葉が出てきた。
Hang in there.
これ、日本語に訳すと
がんばれ、とか、諦めるな、って
ことになるけれど、
それよりもっと直訳に近い感覚で
「なんでもいいからしがみついておけ」
という感じ。
なににしがみついておくか?
その肉体に、いま持っているその人生に、です。
いまその肉体で、いまの今生でしか
味わないような素敵な体験が
未来にはたくさん待っているから
簡単には体を出るな。
その変わり自分にとことん甘くしていいし、
自分に厳しいことの全てから逃げていい。
自分が「ここならしがみついていられる」
という場所を探して、そこで時間を稼げ。
こうして改めて書くと
20代のわたしは未来のわたしの
この声をちゃんと聞いていたんじゃないか
そんな気がしなくもない。
当時は「明けない夜はない」などと
それらしい励ましの言葉を言われても
「そんなのわかってる。夜明けまで
あとどのくらい待たなきゃいけないのか、
それがつらいのだ」と泣いていた。
でも、泣きながらも、笑える日ももちろんあり、
世界に悪態をつき絶望する日もありながら、
だけど希望を持てる瞬間もあり、
そうしてなんとか持ちこたえているうちに
気づいたらあの頃とは全く違う世界が
目の前に広がっていた。
そこではわたしは身軽で、
あの重たい生きづらさは影も形もなかった。
若い女の子というのは、
そもそもきっと生きづらいのだ。
生きづらくなりやすい生物で、
生きづらくなりやすい社会なのだ。
なので多くのことは
年をとるというだけでもだいぶマシになる。
いまから15年近く前、
抗うつ薬の処方がついに終わりになったとき、
心療内科の先生が言った。
「いつか、こんな日があったと
笑い話になりますよ」と。
すごくよく聞く言葉で
当時のわたしにはインパクトはなく、
「ですね」と適当に答えたけれど、
40代半ばになったいまのわたしが
若い子に何か言えるとしたら
それくらいだなぁと
若い子には何も響かないことを承知で
でも言わずにいられないのだった。
Hang in there.
Today’s Quote
“The glory God is in store for you. Take your glory. It’s waiting for you. And run with it.”
_Oprah Winfrey