06.12.2020
アメリカにはクレジットヒストリーとクレジットスコアというのがある。これはソーシャルセキュリティー番号(社会保障番号)を持って、クレジットカードを作るか、ローンを組んだときから記録されるもので、このヒストリーが良質であればスコアが高くなり、その後、不動産や車の購入でローンを組むときなどさまざまなケースでの審査に使われる。
移民にとってはこのクレジットヒストリーとスコアが最初の難関で、そもそも移民直後はクレジットヒストリーもスコアもないからクレジットカードが作れず、クレジットカードが作れなからヒストリーもスコアも育てていけないという、ニワトリが先か、タマゴが先か、みたいな問題に直面する(日本での支払い優良度合いはまったく考慮されない)。まあ、もちろん、逃げ道というか救いの手はあるのだが、日本でそこそこの年齢まで生きてきた者にとって、異国だとそれまでの信用がStart Overになるというのはなかなかのストレスであり、自信喪失のもとでもある。
とりあえず、アメリカに来て数カ月後に、同じ日系移民の友達に聞いて、クレジットヒストリーもスコアもないけれど銀行預金を担保にして作れる制限付きのクレジットカード「セキュアカード」を作って、携帯電話の月々の支払いをそのカードでするように設定した。あと、配車サービス、Uberもそのカードで支払う登録にしておいた。しかし、わたしは日米関係なく、ファイナンス系に大変弱いため、その2つの自動支払いはそのまま放ったらかし(もちろん明細は確認しますが)。それから2年後くらいかな? 車を購入するときに、ディーラーがわたしのクレジットスコアを調べてくれたが、まだまだスコアは低かったために一部のローン会社には断られた。最終的にはローンは組めたが金利は酷いものであった。
そのローンは結局、その後、出会った相方が全部立て替えてくれて支払いを早期に完了。わたしは立て替えてもらったぶんを月々、相方に返済していたが、それも昨年に完了した。それ以降は特にローンを組むようなことが発生しなかったのでクレジットヒストリーもスコアもまったく放置していたが、ここにきて提出を求められる事態が発生。ひょー、もし低かったら、わたしのアメリカ生活が危うくなるのか!? ドキドキ。
そもそも、これまで自分でヒストリーやスコアを確認したことはなく、自力で入手する方法があることも知らなかったのでそこから勉強。ようやく入手したスコアが悪かったらどうしようとヤキモキしたが、思いがけず想像以上に良くてほっとした。ほとんど何もしていないけれど、ローンを完済した経歴や、負債なく6年を過ごしたことが、良い評価につながったんだろう。
まだわずか6年だけど、わたしはこの土地に根を少しずつ張っていると、スコアを見て思えた。気づけば湘南で暮らした年月より、サンディエゴで暮らしている年月のほうが長くなっている。一抹の寂しさと達成感と希望が同居する、卒業生みたいな心境で、サンディエゴで7回目の夏を迎える。