07.13.2020

大学生のとき、伝染病が流行る夢を見た。空気感染する伝染病で、我々は避難できる安全な場所を求めて歩いていた。道ばたにはその伝染病にかかって倒れている人がたくさんいた。その中に知っている顔を見つけた。長めの黒い髪と日に焼けた顔が印象的な男の子。現実のわたしは、その人を「知っている」とはそのときは認識していなかったのだが、とにかく夢の中のわたしはその人を知っていることになっていた。

知り合いをその場に置いて逃げることは、できなかった。一緒に避難したら我々も感染してしまう可能性が高いけれど、夢の中のわたしは神がなんとかしてくれるというか、もう神に委ねるしかないという気持ちになって、その男の子を抱きかかえて、避難できる場所を求めて歩き続けた。

気づいたら、抱きかかえていたものはその男の子ではなく、骨壺になっていた。

その夢を見た翌日か、その数日後か、定かではないのだけど、道を歩いていたら偶然、大学の同級生Mに会って、ちょっと飲もうよという話になった。近所だったので、ほかにも友人を誘って、Mの家にお邪魔して、Mの部屋で飲むことになった。

Mの部屋に飾ってあった写真を見て、「あ、夢に出てきたあの男の子がいる!」と気づいた。

特に不思議な話ではなかった。その男の子は、Mの友人で、二人はキャンパスをよく一緒に歩いていたから、わたしはMの友だちとして顔を知っていたのだった。挨拶程度はしたことがあったし、Kという名前も知っていた。ただ、Mの友だちであって自分の友だちといえるほどまでは親しくなかったので、夢から覚めた後には知り合いであると思い出せなかっただけだった。

わたしの夢の中で、Kは最後は骨壺になっていたことを、わたしはすっかり忘れていた。それで、興奮した。「最近、印象的な夢を見たんだよ。そこに、Kが出てきたんだよ!」。

すると、Mは言った。「そうなんだ!? なんか、昨日あたりに連絡もらったんだけど、K、今、入院しているらしいんだ。お見舞い行こうと思っているから、そしたら、夢に出てきたって話、伝えておくよ」。

その日から、数日連続でKが夢に出てきた。いくつか記憶に残っている夢があるが、そのうちの一つが、未来型の遊園地のようなところで一緒に遊ぶ夢だった。そのときに、Kがわたしに言った。「生きているうちに、楽しまなくちゃね」。

次の夢は、Kと一緒に空襲にあう夢であった。わたしは夢の中で意識を失って(不思議だ)、夢の中で目を覚ましたら(不思議だ)、明るい光が差し込む大きな窓のある部屋に自分はいて、助かったのだと知った。その場にいた人にKはどうしたかと聞くと、残念ながらKは助からなかったと、誰かが答えた。

Kが亡くなったと、友人Mから電話をもらったのは、その夢を見た翌日の昼頃であった。不思議なんだけど、友だちの友だちで、そこまで仲良かったわけではないので、Mとたまたま飲む機会がなくて、Kの話をしていなければ、夏休み中のわたしのところにまでは連絡はこなかったと思う。

実際にはKと遊んだことも、語り合ったこともないのに、わたしはすごく衝撃を受けて、泣けてしかたなく、その年の夏休みはずっとふわふわと不思議な空間にいるような時間を過ごした。

わたしは幼少時から、夢や意識、目に見えないもの、精神世界に興味のあった子どもであったが、そういうことに興味があるというと母親が「新興宗教に騙されやすいタイプ」とあからさまに嫌がったので隠すようになった。でも、あの年の夏、その夢とKのおかげで、これまで閉じていた扉をちょっと開いた気がする。

Kの親御さんは、どうしていらっしゃるだろうか。わたしは、兄弟の誰よりも、身近な友人、知人を亡くした経験が多い。今日はそんな人たちのことをやけに思い出すと思ったら、日本は新盆ですね。儀式的なことはできないけれど、亡くなった夫や先祖や、友人、知人に思いを馳せて偲ぶ時間を設けたいと思う。

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