08.31.2020 今日のつぶやき

自分の誕生日が近いもので、いろいろ振り返りモードが続いている。亡くなった夫と最後に誕生日を一緒に祝ったのはいつだったかなと昨晩ふと思って数えてみたら9年前で、しかし、それが「まだ9年」なのか「もう9年」なのか、自分でもよくわからなかった。
9年前の誕生日のその日は台風が近付いていて、湘南には生温かい風が吹いていた。天気雨が降ったり止んだりして、海は大荒れで、海沿いの道には波の水飛沫が飛んでおり、高潮でさらわれる可能性がありそうだと思えるくらいの勢いであった。
本当は逗子の方まで行く予定だったと記憶しているけれど、道が危険なので、急きょ予定を変えて、鎌倉の極楽寺にある隠れ家フランレストランにランチを食べに行った。食べたものは覚えていないのだが、日本の古い民家を改築してあるその雰囲気は我々の好みで、そこにいる時間を大いに楽しんだ。
覚えているのは、天井からぶらさがっていたアジサイのドライフラワー。亡夫は「これ、いいアイデアだね、うちもやってみようか」と言ったが、わたしは、風水ではドライフワラーのような枯れた草花は運気を下げると言われていると伝えてその案を却下した。いまなら、それで気分が良くならやればいいって言えるのにね。
ランチの後は長谷までドライブして、雑貨屋さんを見て回った。その途中で買った、へんなキャラクターのピンバッジがその年の誕生日プレゼントであった。そういうのを、当時、友達と「レジ横ギフト」と命名していた。すごく凝った高価なプレゼントも、もらえばきっと嬉しいだろうけど、友人とわたしは、そういう、レジの横にありそうな小さなグッズをもらうことが嬉しい派であった。その物以上に、それを見て自分(わたし)に受けそうと思い出してくれた、その事実が嬉しいんだよね、と。
そういえば、リアルな落花生の形をしたマグネットをもらったこともあった。その少し前に、本物の落花生を箸置きにしているレストランに食べに行って、酔っぱらったわたしが帰宅途中のタクシーの中でポケットに手を入れたら箸置きの落花生が出てきたというプチ事件があって二人で大いに笑ったのだった。そのことを、落花生マグネットを見たときに思い出して、買わずにいられなかったらしい。渡し方もまた、わたしのポケットに忍ばせてわたしに発見させるという演出で、我々はまた大いに笑ったのだった。
夫婦に限らないけど、一人のひとと長く一緒にいる楽しさの一つは、こんな風に、二人にしかわからない、くだらない、けど面白い共通体験を増やしていけることでしょうね。
わたしは基本、前を向いてずんずんと進んでいて、そのたくましさは自分でもびっくりするほどだけど、亡夫との間にある、「二人にしかわからない、くらだない、けどおもしろい共通体験」は、心の中の特別な場所にしまわれているみたいで、扉をあけると次から次へと出てくる。こうやってどきとき取り出して撫で回して懐かしがっていたら色褪せずに取っておけるのかもしれない。取っておけないかもしれない。
わたしがいま幸せにやっているように、亡夫も幸せであるといい。亡くなった人に幸せであってってちょっと変かもしれないけど、そんな気持ち。どうせまたいつか会うから。その時までお互い磨けるだけ魂を磨いておこうね。次に会うときには、びっくりさせるくらい成長したわたしを見せてあげる、そんな風に思って生き続けている。
「・・・二人にしかわからない、くだらない、けど面白い共通体験を増やしていけること」共感できます。
心惹かれるお話しですね。
お気を悪くされたら申し訳ありませんが
奥様が幸せであればご主人は幸せだと思いますよ。
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ありがとうございます! わたしがしあわせであれば自分もしあわせだと、亡夫から言ってもらえたような気持ちになりました。うれしかったです。コメントありがとうございました。
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