幸せになる動作学

Body Craftの川尻先生に聞いた、「インプット・プロセス・アウトプット」の理論を生活で活かせるようになったことは、わたしが元気に、前向きに、エネルギッシュに変われた理由のひとつなので、誰もが応用できるようにうまく体系化して伝えられたらとぼんやりであるが考えている。

「インプット・プロセス・アウトプット」というのは、動作学という学問では知覚行為循環と言われるらしい。この考え方の基本は、症状やパフォーマンス、感情といったものは全て、あらゆる「インプット」を脳が「プロセス」した結果の「アウトプット」であるということ。で、もう一つの大事な基本は、アウトプットは結果として出てきたものだから、変えようがないということ。アウトプットを変えたかったら、変えるべきはインプットなのだ。

インプットというと、本を読むとか、栄養を摂るとか、具体的な行動を思い浮かべがちだが、それだけではない。例えば、睡眠をどのくらい取ったか、睡眠の質はどうだったか、気温、騒音、人間関係、今着ている服の肌触り、足の裏からの感覚、視力…瞬間瞬間の全てが脳へのインプットになっている。つまり、自覚している以上に自覚していないインプットが多い。そして、数少ない、自覚しているインプットでさえ、「これは体が、心が、望んでいるインプットか?」と意識して選択している人は少ない。けれど、そこを意識して選べるようになるとアウトプットが自然と変わるというのが、この理論である。

では、「体が、心が、望んでいるインプット」とは何か。その判断基準は、どんなときも「あ、なんか、気分がいい」という方を選択すること。ただそれだけ。選択といっても、「コーヒーを飲むか、紅茶を飲むか、どっちが気分いいか?」といった物質的な選択に限らない。例えば、すごく嫌なことをされて腹が立ったとして、心の中でその人のことを罵るか、それとも違うことを考えるか、といった形のないものも自分の選択である。多くの場合、形のない思考については無自覚に選択しているので、まずはそこも自分の選択なんだと知ることが第一歩。その上で、自分の気分が良くなる思考を(注意深く選んで)採用する。腹が立ったという感情は出てきたアウトプットだから変えられないので、「怒るなんてダメ。良いほうを見なくちゃ」と抑えようとしても無理。だけど、腹を立てながらも、その同じ瞬間には他にインプットできることがいっぱいある。「腹立つ!あの人ひどい!」けど、「あ、でも、天気は良くて気分いい」とかね。その状況の中で気分が良くなる考え方や視点、行動は何か? それを探して気分が良くなる方に意識を向ける。それが「あ、なんか、気分がいい」を選択するということであり、つまりは前向きなインプットをするということになる。

ただ、「あ、なんか気分がいい」を選ぶというのはちょっとトリッキーでもあって、コツがいる。自分では表面上は快と感じているのに、心身の深いところは不快という反応をしているケースも多いからだ。また、気分は瞬間瞬間で変わっているので、そこも注視する必要がある。例えば前述の例で、誰かに対して憤った時、最初は怒って罵りの気持ちを持つことが気分をすっきりさせてくれるとしても、しばらく続けるとだんだん自分でも嫌な気持ちになってくることは多い。その時点で気づいて、「では、次(今)、気分がいいのは何だろう?」と仕切り直して選択する必要がある。というように、本当の意味で「あ、気分がいい」を選べるようになるには意識的な訓練が必要。ただし、訓練するとそれが癖になるので、その後はそんなに苦なくできるようになってくる。そうすると、不思議不思議、いつのまにか自分から出てくるアウトプットが変化して、嫌なことがあってもそう簡単に腹立たなくなったり、無理なくその状況の良い面を見られるようになっていたりする。

この「インプット・プロセス・アウトプット」理論を含む動作学というものについては、そもそもは新しい時代の健康やホリスティック医療の基礎学問になりうる科学として川尻先生から教えてもらったものだ。当時の私は、数年前に患った胃潰瘍が時折痛むことがあって、胃痛とおさらばするためにこの理論を実践してきたわけなのだが、実際もう胃が痛むことはなくなっているだけじゃなくて、ほかの側面でもとても元気に幸せになった。

幸せとは出来事や所持品とは関係ない心の状態だよ、なんて頭では理解しているけど、では実際にそんな心の状態にあり続けることができるかというと「わかっちゃいるけど、それが難しいんだってば」であった。けれど、この理論を応用できるようになると、常に「あ、なんか気分がいい」を選択しているので、だいたいいつも気分がいいということになる。それで、私は気づいたのである。幸せというのは、状況にかかわらず、「あ、なんか気分がいい」という状態が続いていることなのかもと。ということは、動作学は幸せになる科学理論でもあるのではないかと。

ああ、伝わるかな。今でこそこんなお花畑みたいな話をしているけど、20代30代はとても生きづらかった。いや、思えば10代から不登校になったり、20代では抑うつで心療内科のお世話になったり、30代で死別を経験したり、他にもここに書けないことが、まあ、本当にいろいろあった。死別となってしまった最初の夫と出会った頃から、ヨガやアロマテラピーやヒーリングやらが私の人生にやってきて、自己解放のプロセスが始まってどんどん軽くなっていたけれど、この数年はその頃よりさらにさらに元気になってパワーがありあまっているので、かつての生きづらかった若い自分に教えたいような気持ちで書いている。

単に年を重ねて繊細さが減って図々しくなれただけかもしれないけど、だとしたら、年を取って良かったと思う。ともあれ、この「インプット・プロセス・アウトプット」をはじめ、何が私をこんなにも軽やかにしてくれたたか、自分なりに整理できたことについて、折々、書いていきたい。

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