視点を変える

Find another perspective. Then you would realize the whole different truth exists.
多面的に見る、視点を変えて見る、ということの重要性はよく言われているけれど、頭のなかでそれらを行うのには相応のテクニックがいる。だから頭ではなくて物理的に動いてしまうほうがてっとり早く新しい視点を得られやすいと個人的には思う。
うろ覚えで恐縮だが、たしか糸井重里さんが釣りを本格的に始めたのは40歳を過ぎてからで、その年齢で新しい趣味を持って、これまでとまったく違う世界を知られたことはよかった、というようなことをどこかで書かれていた記憶がある。これまでと違う世界、というのは、言い換えると、これまでと同じ評価軸では自分が評価されない世界とも言える。わたしもサーフィンで似たような経験をした。30代でサーフィンを始めたことで、それまで住んでいたコミュニティーの「常識」とは全然違う「常識」でまわるコミュニティーが同じ世界に存在しているということを知った。最初はうちのめされたが、大きな視点で見れば、うちのめされる経験を30代半ばでしたことはよかったと思う。人生が変わった。もちろん、良い方に。
学校の先生をやっている友人が、「子どもにとっては学校と家がほぼ世界のすべてだから、学校以外にも世界はあるからいじめにめげるなと言ってもなかなか難しいのだ」と言っていた。しかし、わたしはいまもう大人で、自分が住んでいる世界の向こうに、いくらでも世界があることを知っている。自分の意志ひとつでそこに行けるということも知っている。大人っていいなあと思うのはこういうときである。子どものころは、自分に翼があるとどこかで信じていても、その羽ばたかせ方がわからなかった。いまはわかる。わたしは、わたしの翼の羽ばたかせ方を、ついに得たのだ。
誰しもいきなりスマートには飛べない。できないとうちのめされる経験も飛べるようになるために必要なプロセスと言える。バタバタと見苦しいほどに動き回って、恥をかいて、プライドを捨てて、自分で方法を見つけるしかない。だって、それはあなたの翼だから。誰も代わりには羽ばたけないのだ。