犬のけんかその後

詳細はわからないが、デイジー(ラブラドール雑種メス)にこっぴどく怒られたユパ(テリア雑種オス)。目のキワにちょっと傷ができてしまい、しばらく震えていて相方かわたしのそばから離れようとせず、目からは涙もあふれていた。その後、庭で寝そべるデイジーにおしっこをひっかけたのには驚いたが、これは腹いせではなくて、仲良くしたいというアピールのほうだったようだ。その日はずっとおとなしかったが一晩明けた翌日、ユパはデイジーから逃げるようなことは特にせず、デイジーもユパが近づいてきても嫌そうな顔はしていない。これまでのように仲良く遊ぶにはまだもう少し時間がいるかもしれないが、互いの体の臭いを嗅ぎ合うなど、友好的に終えようという意思が感じられる。
そういう犬たちの姿を見て思うのは、基本的に犬は社会的で平和を好む生き物らしいってことだ。ユパは怒られても、自分が格下になっても、やっぱりデイジーが好きで、仲良くしてほしいみたいに見える。もしくはこの群れの中にどういう形であれ残りたいと必死になっているようにも見える。それに対してデイジーもしつこく怒り続ける気はないと表明しているように感じる。なんか、感動する。犬たちなりに、自分がこの環境の中で心地よく生きるにはどうしたらいいか、精一杯考えているように見えて。実際には考えてはいないような気もするけど、本能的に、群れの中で生きるには調和こそが大事であると犬は知っているような気がする。
これまた数日後には変わるかもしれないが、デイジーが一喝してくれたおかげで、ユパの無駄吠えがいまのところおさまっている。我々があんなにもしつけに苦労していた要求吠えがこんな簡単になくなるとは。いずれにしても我が家のお子たち(犬)のおかげで、ファミリーの関係性がちょっと変わったように思う。有機的なつながりにおいては、全てを自分たちの力でコントロールしようとせず、それぞれの本来のあり方を尊重しあえば自然と調和するようにできているんじゃないか。そんなことを思った犬のけんかのその後でありました。
