楽しい、楽しい、楽しい

新プロジェクトが楽しい。あーだこーだと試行錯誤しているのだけど、その試行錯誤が楽しい。というのも、その試行錯誤って、文字通り、「試しに」「行動」しているからこそのもの。頭のなかで考えてあーだこーだやるのとは似ているようで全然違う。というか、手を動かさずに頭であーだこーだやっているうちは、「錯誤」にも気づけないんだってことがよくわかる。少なくともわたしは、形にすることで、あるいは形にする過程を可視化することで、考えていただけではわからなかった「錯誤」を見つけることができる。その発見が楽しい。発見したら、変えればいいだけだから。逆にいうと、発見できないと、変えようがないのだ。

本当にちょっと前、数年前までは、形にするからには完璧なものを、とずいぶん気負っていたなぁと思う。スーザン・ウィックストランドのコラージュのクラスを受講して、彼女は気に入ったピースを集めておいてそのときの気分で重ねていくというやり方であることを知り、もともと頭にあったイメージを作品にするのだと思っていたわたしはえらく驚いて、いい刺激を受けた。こんなイメージの作品を作りたいのに、これに見合うピース(素材)が見つからないとなかなか動き出せなかった自分は、スーザンのおかげで、とりあえず今あるピース(素材)で何ができるか、流れのままに創作を楽しむということを知り、創作活動においては別にクリアなカンプがなくてもいいことを、自分に許可できたんだと思う。ちなみに、カンプっていうのは業界用語で、広告などの仕上がり(デザイン、レイアウトなど)のイメージを再現したもののことです。

そんなわけで、新プロジェクトではカンプという完成イメージというものを用意していないので、文章の書き方ひとつをとっても久しぶりにめっちゃくちゃ神経使って、いちから考えている。基本的に、わたしにとって文章を書くことは呼吸と同じで、なーんも考えなくてもするする出てくるものだ。このブログはするする書いたあとに見直すということをしないので、まあ、ちょっとひどいけど、仕事の場合、するする書いた後にちゃんと手を入れる。いずれにしても、するする出てくるものである。けど、新プロジェクトでは、これまでの自分の形をいったん壊してみたくなって、するする出てくるんじゃない文章の書き方にあえてトライしてみたりしているのだ。

もちろん、これも試行錯誤で、しっくりくる形になるのか、ならないのかは、現時点ではわからない。ただ、良くも悪くもライター業にすっかり慣れてしまって、いま持っている自分のスキルでそこそこ食べていけるようになってしまって、書くということにおいて新しいトライをしなくなっていたなぁということに、新プロジェクトのおかげで気づけた。なんであれ、新しい自分の可能性を見つけることは、楽しい。

この間、禅について取材したのだが、「坐禅には目的や意味はなく、ただ座るという行為に入りきることが坐禅」というようなことをおしゃっていて、これこそ禅っぽい回答だなぁとときめいた。SRF(Self Realizaation Fellowship)のメンバーになっていなかったら、修行法として禅を選んでもよかったなと思えるくらいいろいろ面白かった(どちらも発祥はインドなのでSRFと禅、そしてヨガの教えとの共通点はたくさんあった)。話はそれたが、いまやっている新プロジェクトという名の試行錯誤には、目的は一応あるんだけど、その目的がかなってもかなわなくても、その行為自体に入り込めているなら、それは禅といえるんだろうな。最近の言葉でいえばマインドフルネス。とにかく楽しいです。

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