書けない、が、楽しい

古賀史健さんの『取材・執筆・推敲』を読破して以来、息抜きのためにただ文章を書き散らかすことができなくなっている。

これまで、特にブログやSNSに関しては、まるで息をするように、もしくは排泄をするように、自分にとってはものすごく自然な行為として書いてきた。だから、書けない、とか、書くことがない、などと思ったことはあまりなかった。自分の内側で起こっていることが激しいときは、それを言葉という形にするまで時間がかかって遅筆もしくは寡作になることはあったが、最近の書けない感じはそれとは違う。

ブログのような個人的な文章のみならず、仕事で書く原稿も、いちいち『取材・執筆・推敲』で書かれていたことを考えてしまい、マシーンようにさらさら書けちゃう、ということが激減している。速筆が自慢だったのになんということだ。

でも、焦ったり困ったりはしていない。むしろ、20年くらい同じ仕事をしてきたことで知らないうちに自分のパターンを固定していたということに気づけたことがうれしかったし、慣れ親しんだやり方をいったん手放してみようと思えたことを誇りに思うし、やり方を変えることでこれまでのやり方ではたどり着けなかった境地にまでたどり着けるかもしれないという期待さえある。

まあ、しかし、そんなわけで、ブログの更新頻度は低くなっております。でも、元気です。むしろ元気すぎてエネルギーありあまりすぎて、夫から「元気すぎるアラフィフ」というキャッチコピーまでもらったくらいの元気さです。

ところで、わたしには一回り年上で、ものすごくエネルギッシュで、いつも元気に朗らかに飛び回って人を笑顔にさせている、憧れの先輩女性がいる。わたしがこんなに元気になる前、楽しく元気に生きているつもりなんだけどしょっちゅう疲れて寝込んでいた頃、彼女のようになりたいなぁとわたしは思っていた。彼女は素敵すぎるので、いまも追いつけているとはとても思えないけれど、でも、パワフルな飛び回りっぷりという点はかなり彼女に近づいた気がする。意識してそうなるように心がけたわけじゃないけど、その時々の点を追っていたら、いつのまにか、そうなっていた。なりたいと思った自分にはやっぱりなれるものなのだなぁ、としみじみしている。

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