ホームシックと、うどん

亡くなった前の夫が最後の入院をする前に、「にゅう麺が食べたい」と言った。

わたしは作ったことも、食べたこともないメニューだったが、亡くなったお母さんが、前夫の具合が悪くなるとよく作ってくれたとのことだった。

慌てたわたしはインターネット上に出ているレシピを探して即興で作った。前夫は何も言わず食べてくれたけれど、はたしてそれが彼の求めていた味だったかは疑問だ。

わたしたちが一緒に暮らしはじめたとき、前夫のお母さんは他界されていたので、レシピを習う機会がなかったことを残念に思う。

なぜ急にこんな話を思い出したかというと、昨日、わたしは新型コロナワクチンの2回目の接種をして、副反応でめげているからである。

昨日の朝に接種して、その日の午後に強烈な眠気に襲われ、でも仕事があるので寝ることはせずにいたら夜になって寒気、頭痛、筋肉痛がきた。

熱を測ったら37.5℃であった。

副反応は想定内で、周囲と比べてとりわけひどいわけでもないとわかっているが、全身筋肉痛なのでどういう姿勢で寝てもなんだかどこかが痛い(特に腰)し、異常に喉が乾いて夜中になんども起きてしまうし、翌朝(いま)は少しは回復の兆しはあるものの、体調万全からはほど遠くて、げんなりしている。

そして、わたしは、うどんが食べたい。

前夫にとってのにゅう麺が、わたしにとってのうどんで、母はスープまで手作りで作ってくれた。あの味のうどんを、いま、食べたい。

アメリカでもカリフォルニア、カリフォルニアでもサンディエゴは、日本食がかなり豊富にあるほうで、それは毎回心から感謝しているのだけど、今回ばかりは、おいしいうどんがないということに久しぶりのホームシック。

水が日本と違って硬水だからだと勝手に思っているのだが、こちらで出汁をとっても、どうも日本で取るようなあの出汁のおいしさに、なかなかならないのです。そして、わたしにとってのうどんは、麺以上にスープのあの出汁が大事なのだ。

料理を作る気力もないので、おそらく夜は近所のアジア系食材も売っている米系スーパーでインスタントなうどんを買って、「おいしくない」と文句を言い、ホームシックのまま寝るんだろう。でも明日の朝、体調が回復していたらそれも笑い話になるってことも知っている。そうやって生きていくのだ。

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