今さらESL

最近、数年後の50代になったときの自分のキャリアというものについて深く考えています。なんだかいろんな話も舞い込んでくるし、何かの流れに乗っているような変化の最中。自分でも驚くほどたくさんの目標ができて、それがまた「え、それ自分やりたいの？」って自分で突っ込みたくなるくらい高い目標だったりするのですが、挑戦するその過程が楽しいので、50歳になるまでの数年を準備期間に当てようといろいろ動いています。

この数年の間に準備しておきたいことはたくさんあるのですが、そのひとつが英語力。今は英語でインタビューする場合も気軽なものが多いし、日本人で最終的には日本語の文章を書くからということもあって、取材時に文法が違っても、選ぶ言葉が変でも、まあ、通じればいいでしょというところでよしとしていました。でも、今後は英語でより高度なインタビューができるようになりたいし、なんなら英語でも人様に読んでいただけるくらいのちゃんとした文章を書けるようになりたい。それで、コミュニティーカレッジ（略してコミカレ）の英語クラス、ESL（English as Second Language）を取ってみることにしました。

ご存知の方も多いと思いますが、コミニティーカレッジのESLは、たいてい無料です。アメリカは移民の国なので、母語が英語でない人がきちんと生活し、ちゃんとキャリアも構築できるように、そういうサポートがあるんですね。やる気がある人にちゃんとチャンスをくれるところは、さすがだなぁと思います。本当に英語がまったくできない人から、アメリカの大学に行く英語力がほしい人、仕事でのスキルアップをめざす人なんかを対象とした上級レベルのクラスもちゃんとあります。

わたしはアメリカの大学の日本校を出ており、日本校といえど授業は英語だったし、たくさーーーーーーんエッセイを提出したうえにエッセイの成績は良かったものだから、英語は読み書きのほうが得意で、喋ったり聞いたりするほうが弱いと思っていましたが、ESLのアセスメントと呼ばれる査定で、「あなたは喋るののレベルは高いのに書くほうはいまいちね」と、プチ衝撃な事実が発覚（笑）。喋りだけだったらアドバンスになるけれどこのグラマーではアドバンスとは言えないと（これまた衝撃）、インターメディエートのクラスに入ることになり、中心となるクラスの他にグラマー（文法）のクラスも取ることになりました。

いざクラスに参加してみると、「いや、このぐらいのことはわかるわ」って感じの内容で、もうちょっと高いレベルに入れてもらってもよかったんじゃないかと感じたんですけど（先生と交渉すればそれは可能なんですが）、でも、たとえば、会話の中で「The」を忘れてしまうとか、そういう細かいことを指摘してもらえるのは、ESLの良さだなと実感しています。日常の会話ではTheを入れようと入れまいともちろん通じるし、相手は間違っていることに気づいてもいちいち直してくれたりしないですからね。DMM英会話もいいんですけど（今もまだ続けていますけど）、DMM英会話では「間違いを指摘してほしい」とリクエストしても、先生によってはそこまで細かくグラマーミスを拾ってくれないので、ESLの先生のほうがやっぱりいいなという印象を受けています。

あと、グラマーのクラスが想像していたよりずっと楽しいです。英語に限らず、感覚で捉えていることを理屈に落とし込むのが大好きというわたしの性分にグラマーは合っているんだと思います。たとえば未来を語るときのwillとbe going toのニュアンスの違いとか、ああ、感覚で使い分けていたけど言葉で説明できるくらいのそんな明確な違いがあるんだ、と目から鱗で中学生の頃に戻ったようなフレッシュな気分です。

自分でやると決めたものの、「今さらまたESLからかよ」と自分でちょっと自分をディスっていたんですけど、今のところ、これまで受けてきたどの英語レッスンよりいいかも、と感じています。まあ、しかし、授業時間は少なくないし、課題もあるし、他にも準備したいことが山ほどあるし、サーフィンに加えてゴルフもいよいよ本格的にちゃんとやろうと思い始めているしで、1日が24時間ではまったく足りない！　自分がこんなにも活動的に（しかも活動しまくっても疲れて寝込まないように）なるなんていつも疲れていた若い頃が嘘のようです。40代からでも人は変われます。いや、40代だから変われるのかもしれません。年齢を重ねるのは、思っていたより楽しい、そう思います。また数年後はどう感じているかわかりませんが。