おすすめ本『スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開くマジック』

だいぶ前に読んで、とっても好きだった、『スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開くマジック』。先日、久しぶりに読み返してみても変わらずに感動し、「やはりこの本はいい!」と思ったので、こちらでご紹介します。

著者はスタンフォード大学の脳神経外科の臨床教授であるジェームズ・ドゥティ氏。今でこそ医師という「エリート」と呼ばれるような肩書きを持つジェームズ氏ですが、父親はアルコール依存症で、母親はうつ病を患っているという、いわゆる貧困家庭に生まれ育ちました。

悲しいことですが、家庭環境はその子どもの将来に大きく影響し、貧困家庭で生まれ育った子が、その環境から抜け出すのはとても大変です。しかし、ジェームズ氏は、幼い頃のある夏、マジックグッズを売る店で、ルースという女性に出会います。そして「マジックショーよりずっと面白い、人生のマジックを教えてあげる」と言うその女性のもとに通ってマジックを学び、まさに人生の扉を開いていきます。

と、聞くと、フィクション、作り話のように感じるのですが、これ、本当に起こった話なのだそう。まずはその事実だけで、「人生ってなんかミラクルだ!」と感動します。

本は3つのパートに分かれており、前半のPartⅠは、幼いジェームズがルースから教わった人生にマジックを起こすための4つの大事なことが解説されています。

1)からだを緩める
2)頭の中の声を止める
3)心を開く
4)なりたい自分を描く

勘のいい方はお分りと思いますが、この4つは、今でいうところの「マインドフルネス」と「引き寄せの法則」と言われるものにも近いもの。

マインドフルネスや引き寄せの法則についての本はたくさんありますが、この本の素晴らしい点は、視点が幼きジェームズであること。ジェームズが学んだことを皆さんに教えようという書き方ではなく、ルースがどういうふうに教えてくれたか、自分はそれについてどう感じたか、教わる側のリアルな体験談として書かれているので、読む側は感情移入がしやすく、そのために理解もしやすいという作りになっています。

後半のPartⅡとⅢは、人生のマジックを手に入れたジェームズのその後の人生が描かれます。

マジックを手に入れて、そのマジックを使ってほしいものを全部手に入れたけれど、満たされなかった時代がPartⅡ、数々の苦難にも出会って、何が足りなかったのか、マジックの本質に気づいてやり直した時代がPartⅢ。

そうして大人になって脳神経外科医になったジェームズ氏は、「心」という実態のないものについて、脳や体ではどんなことが起こっているのかという研究を始め、心と呼ばれているものと脳との関係を探究していきます。このあたりは心、体、精神の関わりに興味がある方にはとても面白いと思います。

物語風のマインドフルネスの本は他にもあると思いますが、前述したようにこれが実話というのがこの本を特異なものにしています。人生にマジックを起こすマインドフルネスのハウツー本のように読める一方で、人生のマジックを学んだことで苦しい過去を癒し、自分を生き、世の中への貢献にめざめていった一人の人間の物語でもある。そしてその物語のスケールがとっても大きいことが、マジック、つまりマインドフルネスのパワーを暗に物語っているとも言えます。

関美和さんの訳がすてきなこともあり、ジェームズ氏の幼い頃の家庭環境のエピソードなどに、涙が出てくる人もたくさんいるでしょう。でも、共感して泣くということは自分の中で消化しきれていなかった似た感情があるということ。泣くことはその感情に気づき、解放することでもあります。そんなふうに、単純なハウツー本ではなく、ただの伝記でもなく、読むことで自分の中にも癒しが起こるというのがこの本の一番の魅力と思います。

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