ストレスと痛みの関係を実感した

体に痛みが出るとき、痛い部分に何か問題があることと、そこに痛みが出たことには、直接的な関係があるわけではない。
この考えは、川尻隆先生から「動作学」を教わる中で知った、最新の「痛みの科学」のひとつです。
最初は、「???」ですけど、わかりやすい例でいうと、まったく腰に痛みがない人100人くらいの腰のレントゲンを撮ったらヘルニアという状態が腰に起こっている人は一定数いて、その全員が痛みを自覚しているわけではなく、なんら問題なく普通に生活している人もたくさんいる、ということ。つまり、ヘルニアがあるから腰痛が出るとは限らない、ということです。
「え?じゃあ、痛みがなかったらヘルニアでもほうっておいていいの?」というのが最初にその話を聞いたときのわたしの素朴な疑問でしたが、ホリスティックに体を捉えるならば、「痛みがないということは、脳(と体)が、『いまのところ自分たちだけでマネージできそう』と判断しているということだから大丈夫」と川尻先生はおっしゃっていました。
逆に、痛みが出たならば、それは、「脳(と体)が、ちょっといまのままでは対応ができない。もうちょっと俺ら(脳と体)の負担を軽くしてくれ」ということ。もっというと、脳にとっての「脅威」が溜まってきていて、それでいっぱいになっているから、「脅威」を取り除いてくれ、ということだそうです。
では脳にとっての「脅威」って何なのか。簡単にいってしまえば、「ストレス」。
ストレスというと精神面のことを思い浮かべがちですが、たとえば睡眠不足であるとか、栄養素が足りていないとか、そういった肉体的なストレスもありますし、騒音の激しいところにいるとか、環境的なストレスもあります。
この「痛みの科学」でいえば、とにかく溜まっている「脅威」(=ストレスとここではします)を減らせばいいので、どのストレスが原因かと考える必要はなくて、思い当たること、自分がやりやすいことから変えていけばいい、ということになります。
これをね、わたしは、最近、ついに、実体験で実感しました。
先週の後半、以前、サーフィンで軽いけがをした肩が、また再び痛み出したのです。
きちんと治療を受けて治ったと思っていましたが、完全には治っていないのでしょうね、これは推測ですが。
でも、わたしは、この「痛みの科学」を知っていたので、痛みが出てきたことへの心当たりもありました。
このブログでは何度か書いていますが、6月からずっと猛烈に忙しくしていて、さすがにちょっと疲れているなってどこかで自覚はしていたんです。でも、止められなかったんです。
痛みが出てきたとき、きっとちょっとがんばりすぎだな、と思ったのに、日常生活には支障がない痛さなので、それでも突っ走っていました。
次にやってきたのは、久しぶりの偏頭痛。
それでさすがに、ああ、休もう、と思えて、サーフィンも仕事も一切しない週末を過ごして、平日の日々のスケジュールも見直して、無理をしないように調整をし直しました。
そしたらなんと、肩の痛みも消えてしまったんですねぇ。
肩に対して特別なケアをしたわけじゃない、ただ生活(とりわけ過密スケジュール)を見直しただけで。
実体験として興味深かったので、記録しておこうと思い、ここに記載しました。
川尻先生との対話は、こちらのブログにまとめていますので、よかったらご覧くださいね。毎回、思いついたことをテーマにしているので、系統立てた解説になっていないのですが…。
何か症状が出たとき、その原因はリニアな一直線ではつながっていない。そのようにとらえるのがホリスティックヘルスだ、ということが、最近ようやく自分の考えとしてものになってきた気がします。
たとえば、お腹を下すと、その前に食べた物が、とか、冷やしたか、とか、いろいろ原因は思い当たります。おそらく、食べ物や、冷やしたことが、トリガーではありますが、もし脳の「脅威」に余裕があったら、ちょっと冷えたくらいではお腹を下すことなく体の恒常性の中で対処ができたかもしれない、ということですね。だからって冷やしていいよっていう話でもないので、こういう話をなるべく誤解されないように書くのって難しいなぁと毎回悩んでいます。
自分なりにしっくりくる伝え方を見つけられるといいな、というのと次の願望にして、天に放り投げてみます。
それでは、みなさん、よい週末を!
