Essay Category

書けない、が、楽しい

古賀史健さんの『取材・執筆・推敲』を読破して以来、息抜きのためにただ文章を書き散らかすことができなくなっている。 これまで、特にブログやSNSに関しては、まるで息をするように、もしくは排泄をするように、自分にとってはものすごく自然な行為として書いてきた。だから、書けない、とか、書くことがない、などと思ったことはあまりなかった。自分の内側で起こっていることが激しいときは、それを言葉という形にするまで時間がかかって遅筆もしくは寡作になることはあったが、最近の書けない感じはそれとは違う。 ブログのような個人的な文章のみならず、仕事で書く原稿も、いちいち『取材・執筆・推敲』で書かれていたことを考えてしまい、マシーンようにさらさら書けちゃう、ということが激減している。速筆が自慢だったのになんということだ。

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ここまでくるのに20年かかった

LAに暮らしている女友達と二人でパームスプリングスに一泊二日の旅に出かけた。パームスプリングスは南北でいえばロサンゼルスとサンディエゴの間にあるので現地集合、現地解散。片道だいたい2時間くらいなので、一人の運転もつらいことはない(4時間を超えると一人はつらい)。 旅の目的は、Desert Xという、この時期だけ行われている現代美術の壮大な展示プロジェクトを見に行くため。砂漠の街を舞台に展示される作品群を、鑑賞者は車で移動して見て回る。今年は例年に比べて展示作品が少ないそうで一泊で全てを見ることができたが、例年はそうもいかないくらい広範囲に展示がなされるらしい。それでも、わたしには十二分に楽しかった。 Desert Xの面白いのは、展示場所が砂漠の町のどこかということ。とりわけ、砂漠の中に作られたインスタレーションを見るにあたっては、背景にある広大な自然と、アートという人間の創作物、その両方の組み合わせの妙についても感じずにはいらない。 その組み合わせまで含めて、いや、それを体験してわたしが何を感じるかまでを含めてアート。書いてしまうと当たり前のことなんだけど、今回はそこがわたしに一番ヒットしたポイントであった。

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裸足族のはなし

3月から連載コラム「カリフォルニアの風」を寄稿させていただいているウェブマガジン、Stay Saltyの5月号がアップされました。 わたしは今回から、文章のほかに、CREATEというコーナーで写真も掲載させてもらっています。それぞれのリンクを以下に記載いたしますね。 Stay Salty Stay Salty カリフォルニアの風 by Fay Satoko Stay Salty CREATE by Fay Satoko わたしは、自分がカリフォルニアに暮らすようになるずっと前から、「海外に住む日本人」を訪ねていくようなテレビ番組が大好きでした。Stay Saltyは世界のさまざまなところで暮らす日本人の方が主に寄稿していて(自分も含み)、読むたびに、自分の日常とはちょっと違う世界にふわりとやさしくやわらかく連れて行ってもらえるところがとても好きです。 今回はわたしは、「裸足族」について書きました。

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生きても、死んでも、運が良い

COVID-19のワクチン、1回目を接種した。 今のところカリフォルニアで打てるのは、ファイザー社製かモデルナ社製(ジョンソン&ジョンソンは一時停止中)。基本的にワクチンを接種する場所によってどちらを打つかが決まる。いずれの場所も提供しているワクチンを明示しているので、打ちたいほうが明確にあるならそれを提供しているワクチン接種場所を選べばいい。 わたしはとにかく早く、簡単に接種がしたかったので、自宅近くの場所、というふうに場所優先で選んだ。結果、モデルナのワクチンをドライブスルーで打つことになった。ドライブスルー、つまり、並ぶのも打つのもずーっと車の中。たまたま雨の日だったので、車を一度も降りずに済んだのは便利であったが、一人で行ったので待っている間にトイレに行きたくなったのだけが困った。並んでいる車の列はのろのろとではあるが進み続けているので停めて行けないし、両脇に停められるようなスペースもないし、そもそもトイレなどなさそうだし。まあしかし、おかげで、トイレに行きたい緊迫感のほうが強くて、これから受けるワクチンについての緊張感はほぼなかったことはむしろよかったのかもしれない(最終的には、打った後に15分待機するために設けられた駐車場に簡易トイレがあって、そこで行けました)。

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自分の「ものさし」を整理した

一般的に考えたらあまり歓迎したい出来事ではないはずなのに、ほんの少しうれしさが伴う(ように見える)、ということは、ままある。 すぐに思い浮かぶのは「あ、ごめん、ちょっと、一本電話してくる。妻がうるさいんで…」なんて断りを入れて飲み会でいったん席を外す男性。いかにも面倒臭そうなそぶりなんだけど、どこかに「妻に心配されている俺」といううれしさがあるように、わたしには見える(もちろん、そう見えない場合もある)。 身近なところでは、筋肉痛もそれに近い。なんでかわからないが、大人は筋肉痛になったりすると「イテテ」と言いながらも楽しそうだったりする。特に年齢が高くなるほどその傾向が高まる気がする。そこには、体を使った、いや、使えた、ということに対する勲章みたいな気持ちが少なからずあるんじゃないか。

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恐るべし、思い込みのちから

昨日、「カリフォルニアでは16歳以上の全ての人がCOVID-19のワクチン接種可能になったが案の定、予約が取れない」と書いた。が、今日、あっさり予約ができた。いつ見ても予約でいっぱいなのは本日も夕方まで変わらなかったが、夕方にまたちょっと覗いてみたら、普通に取れた。友人からも聞かされていたことだが、予約が取れる、取れないは、予約サイトを覗くタイミングの問題のようだ。ともあれ、予約した日に接種できれば、前回の投稿で書いた「4月末に友達と旅行するのでそれまでに1回目を接種しておきたい」という希望は、叶うことになる。決めてしまえば現実は動くのか、という実験でもあったのだけど、確かに、言ってみたら現実は動いた、と言える。

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